エミリアからの便り

大聖堂 （Duomo）

モデナの中心にある大聖堂です。（世界遺産に指定）
赤や茶色のレンガ造りの住宅が続く中で、この淡いピンク色の大理石でできた大聖堂は、ロマネスク様式の優雅な外観が人目を惹きます。写真下には人々の集うグランデ広場（Piazza Grande）があります。マーケットがたったり、車の展示会が行われたり、夏には屋外劇場が仮設されたりします。

1枚目の写真右側に見える高い鐘楼と大聖堂との間には、↑のような通路があります。形が少しエキゾチックで、こうして見るとなかなかよい感じですね。

カプチーノ （Cappuccino）

姑はカプチーノが大好き。
朝５時に起床してまずエスプレッソを一杯、そのあと一通りの家事を済ませ、１０時に入れるカプチーノ、この時間が彼女の至福のひとときなのです。

今まで色々なマシンを試したのですが、Bialetti（ビアレッティ）から出たMucca Expressで入れるカプチーノが、一番手軽でおいしいのだそうです。何よりも牛のまだら模様がとても可愛いので、キッチンが楽しい雰囲気になりました。「私のムッカちゃん」と言って、彼女はこのマシンを可愛がっています。

日本でも購入できます。

言葉に言い尽くせないような

…今、ボキャブラリー自体が貧困になってるから、自分の気持ちを表現する言葉を知らない場合も多いと思うんですよね。むかついたか、嬉しかったか、幸せだったか、悲しかったか、そんな程度しか言葉を使えない。

…言葉が貧困ということは、それだけ自分の心にも気がつきにくいということで、表現する言葉を知らないと、ただのモヤモヤやイライラにしかならないから、余計に嫌なのね。頭でっかちになっているし、プライドも高いから、そういう不快な状況が許せない。それで簡単に、それは嫌とか、むかつくとか、超嬉しいとか、そのくらいで処理しようとしてしまう。だからすごく表面的で終わりやすいっていうこと、あるんじゃないかと思うんです。

『ダメージ　そこからはじまるもの』（乃南アサ/新潮文庫）より引用

ファッションショー （Sfilata di moda）

１８世紀建築ヴィッラ・メリディアーナの庭園内で、チャリティー・ファッションショーが行われました。間近にモデルさんを見るのは初めてだったのですが、ああ、今にもポキンと折れそうなくらい、手足も身体も首も…全てが細い。本当に全部の内蔵があの中に納まってるのかしら？

この街にはアルマーニの縫製工場が、また隣の街はMaxMara発祥の地であり、エミリア州は食の宝庫であるとともに、イタリアン・モードの発信地の１つでもあるのです。

夜８時半開始予定が、案の定１時間遅れとなり、終ったのは深夜１時。多くの人はファッションショーのあとのビュッフェがお目当てだったので、ショー終了後も邸内は大変な賑わいでした。

来夏またね (Ci vediamo l'anno prossimo)

ああ、日本滞在もついに終りです。あっという間の１ヶ月でした。

中部国際空港に着いてチェックインを終え、両親とのお別れのあと搭乗手続きをして搭乗口の待合コーナーに座ると、娘が涙をポロポロ流しています。｢おばあちゃんともっと遊びたかった。イタリアに帰りたくない…｣　目をうるうる真っ赤にして言いました。｢来年もまた来れるから｣
嗚呼、こんなの慰めにもならない。私だってずっとこのままここに居たいのだから。

もやもや踏ん切りのつかない思いから悲しみの絶頂に達するのは、飛行機が助走を始めて車輪が滑走路から離れた瞬間！
あの瞬間は本当に辛いのです。娘に涙を見られないように、窓に顔をつけたまま外を見ている私でした。


　
11時間あまりのフライトのあとフランクフルトで乗り換え、ボローニャ空港に向かいます。着陸15分前には、窓の下にモデナの街がくっきりと見えました。娘の小学校もお義母さんやお義姉さんのいえも。不思議なもので名古屋空港離陸の時には泣きそうになっていた気持ちが、ボローニャ空港着陸の頃には落ち着いていました。